「夜いついずこ共云う事なく折静かな る夜に、提灯戒は如くなる火凡一里余も無間続きて遠方に見ゆる事有り。 右何所にても稀に雖有、浦原郡中にはおり折節有之。これを児童輩狐の婚と云ひならはせり。」 呪文のように言う美沙。 「美沙?」