坂道の両脇に桜が見事に咲いていた。逆を登りきると、目的地が見え、一通りの事を終えると
そっと彼の前にしゃがみ込む。
そして、まっすぐ彼に視線を向け微笑んだ。
「もうすぐで1年だね。あれから、私は今も歌っているよ。」
毎日毎日練習して、時間が足りなくて寝不足になったりもしたけれど、それでも私は幸せだよ。
 私がこうやって、夢をまた目指していけるのはあなたのおかげだよ。
「今から、ちょっと昔話をするね」