「あっ、は、はい。今戻ります。しょぅ…森野さん今日は有難うございました。次回もよろしくお願いします」 一ノ瀬さんが来てくれて正直助かった。 ペコッと頭を下げて部屋を出ようとした時「加奈」と声が聞こえて振り返らずに足だけ止める。 止まらず無視すればいいのにできない。 「電話するから…頼むから出て」 あの日から何回か翔太さんから電話があった。 だけどその電話に出る勇気がどうしてもなくて。 その言葉には返事をしないで会議室を出た。