ドスッ



少し乱暴に押し倒された背中に当たるのはベッドのマットレス。



お互いに喰らうようなキスをして。


私は昨日の彼を。


一ノ瀬さんはきっと彼女さんを。



それぞれ脳内には違う人がいる。




角度を変えて啄ばむようにするキスはピチャピチャと響く厭らしい水音が室内に広がる。



その水音を発しているのは紛れもなく私と一ノ瀬さんで。



まるでベッドに手を縫い付けるかのように抑え込む一ノ瀬さんはキスをしながら器用に私の服を脱がし始める。