この時一ノ瀬さんに同情していたのかもしれない。



私と同じようなことを体験しているから。


いや、そんなのはただの言い訳に過ぎなくて。



「一ノ瀬さん、」



私が呼び止めると足を止めて私の方に振り返る。



「いいですよ、浮気」


「は、」


「だから、いいですよって。彼女さんに仕返ししましょうよ」



いつもは知らない間に浮気相手になってたりするけど今回は知ってて浮気相手になる。