ガラスの靴



会社の近くにあるお店で二人とも同じセットメニューを頼んで待っている時、



「そういえば加奈、あの彼氏とはどうなの?」



メニューを頼み終えたのにまだメニュー表を見ながら「あ、今度はこっちにしよっかな…」とかブツブツ言っている。



何気なく聞いたんだろう。



「あー、そのことなんだけどね別れた。なんか妻子がいたらしいんだよね」


私がしれっと言うと、



「へー、妻子ねー…って、は!?結婚してたの!?」



見ていたメニュー表をバンッと置いて首がもげそうなぐらいの勢いで顔を上げると目を見開いている。



「で、加奈は振られて目がそんなんになってるわけか」