***** その欲望が芽生えたのは、 彼にとってごく自然の事だった。 それがとてもおぞましい事だというのは、後から知った。 それに類似したことを話す、 世間一般の彼等の反応からはいつも、 嫌悪や恐怖が見て取れた。 (……みんな、知らないんだ) それはとても、彼には心地良い事だった。 考えただけでいつも、幸せになれた。 だけど、それは昔ほど簡単にはいかないものなのだと、 一人になってから痛切に実感した。