「あっ……それ、 いつもスタジオで注意されてるんです……じゃなくて! あのっ……助けて下って、ありがとうございます……!」 「いいのよ、このくらい。 それにあいつは、それだけの事をしたんだから……」 男の顔は赤黒く腫れ上がり、 折れてギザギザになった前歯が、 力無く開かれた口から覗いていた。 「ああ、ええと……お礼がしたいんですけど、 私……その、お金をあまり持っていなくて……」