カレンダーをめくると、もう六月になっていた。 本当に、あっという間だ。 俺は、姉さんが細かく予定を書き込んだリビングのカレンダーを前に、 軽く溜息を吐いた。 嫌いだけど、嫌いになり切れない季節、というものがあるとする。 俺にとってそれは、この梅雨の季節だ。