俺が断ると、豊丸は素っ頓狂な声を出した。
「何でも何も……」
「この前、アップルパイうまいって食ってたじゃん!」
「それまでのに比べたら、って意味だよ。
……悪いけど、気持ちだけでいいから」
「うう~……それならせめて、うちの店で予約してよ!
それ以外は認めません!」
「何だよそれー。割引きしてくれんのかー?」
「おうよ!任しとけ!」
そんなこんなでその日の放課後に、
豊丸のバイト先の洋菓子店『ココ・モーイ』に行く事になった。
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