姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③




雪絵からの連絡を受けて急行したテミスの構成員――鬼山は、現場の状況をすこし把握出来ないでいた。


熱中症を起こしかけながら、ふらふら動き回る雪絵の話によると、

例の連続殺人犯の片割れと接触した末の出来ごとだという。


そういえば、こいつの担当だったっけ。


しかし、どうやら戦いは終わってしまっていたようで、戦闘員である彼の役目は無さそうだった。


「おい、あっちの子供は誰なんだ?」
 

鬼山は、孝を指差して言った。


「子供じゃねえですよ。

高校生くらいですよ。

私のダーリンの弟分なのです」


「ふうん」
 

どうにも、自分の目線から見ると、大抵の人間は子供に見えてしまう。


「ああ見えて結構、根性のある子なのですよ。

ちょっと生意気ですが」


そこまで言われると、興味が湧いて来る。


「どれどれ……」
 


鬼山は暇潰しがてら、二メートル以上ある巨体を揺らしながら、彼に近付いた。


「おい、君は一般人か?」