姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③




――建物を数え切れないくらい通り過ぎて。
 
孝は途中、落ちていたごみ箱や段ボール箱や酔っ払いを蹴っ飛ばしたりしたが、

構わず走った。


一体どれだけの距離を止まらずに走っているのか、

もう分からなかったが、確実に街並みは変わっていると感じた。


そして、既に限界を何度か通り越した彼の頭の中は、空白に近かったが、冗談を考える余裕は少しあった。



(俺……頑張れば駅伝とか出られるのかも……)
 

孝は同意を求めようとして、隣を走る雪絵を見やった。


「ぜいっ……ぜいっ……」


「………?」