――建物を数え切れないくらい通り過ぎて。 孝は途中、落ちていたごみ箱や段ボール箱や酔っ払いを蹴っ飛ばしたりしたが、 構わず走った。 一体どれだけの距離を止まらずに走っているのか、 もう分からなかったが、確実に街並みは変わっていると感じた。 そして、既に限界を何度か通り越した彼の頭の中は、空白に近かったが、冗談を考える余裕は少しあった。 (俺……頑張れば駅伝とか出られるのかも……) 孝は同意を求めようとして、隣を走る雪絵を見やった。 「ぜいっ……ぜいっ……」 「………?」