姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③




「ちょっと、エリアル……吸ったって、誰の血を! 

まさか、お兄ちゃん……?」

「迫ったけど、断られた。

でも、彼は代わりに輸血用のパックをくれたよ。

……凄く、まずかったけどね」


「なーんだ、よかった~ぁ! 

私ったらてっきりうっかり、

エリアルがその辺の人を襲って血を吸ったのかと思っちゃったー……」



「――ああもうっ、真剣勝負中は私語を慎め! 

あんたも、小夜ちゃんどっかに置いてこいよ!」
 
銀司は、若干キレ気味に咆哮した。
 
小夜子がびくりとなるが、エリアルはそれを即行動に移した。

かくして小夜子は、やっと念願の地面に降り立った。

「ここで待っててくれ、小夜子……」

「ありがとう、エリアル。

……私、応援してるわ! 

それしか出来ないから!」


「分かったよ、小夜子……」
 

エリアルは少し苦笑して、小さくガッツポーズをとった小夜子の頭をそっと撫でた。