姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③

 


銀司は「ケッ」と舌打ちして、飛び上がった。

「……茶番は終わりにしようぜ、吸血鬼」
 
大きく裂けた口で、噛み付きにかかった。
 
しかし、エリアルはそれを容易にかわした。
 
銀司は体勢を立て直し、もう一度牙を剥く。
 
だが、今度は避けられた上、腹に蹴りまで食らってしまった。

蹴られた銀司は屋根の上を一度バウンドしたが、軽業のようにそのまま両足できちんと着地した。
 

しかし、腹のダメージは、見かけ以上に酷い。

咳き込みそうになるのを、冷静に抑えた。



(……変だ。

こいつ、動きが良すぎる……さっきとは全然違う……)
 
銀司は、単純な事に気付いた。

「そうか……お前、血を吸ったな! 

ここに来るまでの間に……!」

「ご明答」
 

エリアルの返答に、焦ったのは小夜子だった。