銀司は「ケッ」と舌打ちして、飛び上がった。
「……茶番は終わりにしようぜ、吸血鬼」
大きく裂けた口で、噛み付きにかかった。
しかし、エリアルはそれを容易にかわした。
銀司は体勢を立て直し、もう一度牙を剥く。
だが、今度は避けられた上、腹に蹴りまで食らってしまった。
蹴られた銀司は屋根の上を一度バウンドしたが、軽業のようにそのまま両足できちんと着地した。
しかし、腹のダメージは、見かけ以上に酷い。
咳き込みそうになるのを、冷静に抑えた。
(……変だ。
こいつ、動きが良すぎる……さっきとは全然違う……)
銀司は、単純な事に気付いた。
「そうか……お前、血を吸ったな!
ここに来るまでの間に……!」
「ご明答」
エリアルの返答に、焦ったのは小夜子だった。



