(……なんて危ない奴なんだ!)
「くっそー……覚悟しろよ!」
再び銀司は倉庫の壁を駆け上がった。
殺す、もう小夜子を殺して食おう。
我慢なんて、しなくていい。
結局、青子は無理だった。
空腹で、苛々しているのだ。
あんな生意気な手足はさっさともぎ取って、内臓を爪で抉り出し頭を噛み潰し、喰い尽してやる……!
だが、屋根の上に小夜子はいなかった。
――落ちたのか!
ひやりとなったが、上空から「ざまーみろーぅ!」という元気な声がした。
見上げると、そこには……。
「……よくも、僕の可愛い小夜子を攫ってくれたね」



