姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③




(……なんて危ない奴なんだ!)

「くっそー……覚悟しろよ!」
 
再び銀司は倉庫の壁を駆け上がった。
 
殺す、もう小夜子を殺して食おう。
 
我慢なんて、しなくていい。

結局、青子は無理だった。

空腹で、苛々しているのだ。
 
あんな生意気な手足はさっさともぎ取って、内臓を爪で抉り出し頭を噛み潰し、喰い尽してやる……!
 

だが、屋根の上に小夜子はいなかった。
 

――落ちたのか!
 

ひやりとなったが、上空から「ざまーみろーぅ!」という元気な声がした。
 
見上げると、そこには……。



「……よくも、僕の可愛い小夜子を攫ってくれたね」