小夜子は、屋根の上にへたり込んだ。
改めて自分のいる場所を見てしまい、足がすくんだのだ。
今いるのは、地上から遥か離れた屋根の上。
しかも縁の方である。
「ふうん、まぁいいや……」
銀司は興味なさそうに座った。
欠伸をして、自分の頬の傷を指でなぞる。
血が、だらりと指に付いた。
……やはり、塞がるのが遅い。
これがまともに当たっていたら、と思うとぞっとした。
銃など、取り上げてしまえばよかった。
「……痛いの?」
小夜子が尋ねた。
それが不意だったので、一瞬銀司は固まった。
「……大した傷じゃないさ。
なに、舐めてくれんの?」
「絶対やだ」
「なら、訊くなよ」
「何で、訊くくらいもいけないのよ」
「……何か、調子狂うな」
銀司は、手で額を押さえた。
変な頭痛がする。



