「ほら、何とか言ったら!」



「……く、らえ……」



「え?」
 
孝は、目を狙って引き金を引いた。



「ぎゃああっ! 何これっ……!」
 
洗剤水の水鉄砲だ。
 
喜咲は目を手で覆いながら、孝から離れた。


「目がっ……畜生! このガキ!」
 

喜咲は、ぼたぼたと涙を溢す目を押さえながら、炎の塊をいくつも放った。

よく前が見えないのだろう。

炎はほとんど、でたらめな位置に打ち込まれたが、いくつかが孝に向かっていた。



しかし、体のダメージは、予想以上に酷い。



孝は、動けなかった。