俺が物心付いた頃には、『おっちゃん』こと乙矢はもういた。 その為、小さい頃はずっと、おっちゃんは本当の兄だと思っていた。 だから、おっちゃんがいなくなってから、毎日姉さんと二人で泣いた。 彼は、高校を全寮制のところに決め、 合格するなりさっさとこの家を出ていってしまったのだ。 その時は、なんて薄情なんだろうと思った。 純粋に、おっちゃんがいなくなってしまった事に対して、 悲しくて腹を立てた。