小夜子は、それすらも全然気にせず、毎日を楽しそうに謳歌する彼女が羨ましかった。
青子が、大好きだった。
「……小夜子、この辺?」
「もう少し、あの尖がり屋根の近くまで飛んで!」
エリアルの首に回した腕に、つい力が籠る。
エリアルは何も言わなかったが、途中で何度も気付いて、その度小夜子は小さく「ごめん」と謝った。
「気にしないで。……それより、その後の連絡は付かない?」
「うん、青子さん携帯見てないみたい……電車の中だから、とかだったらいいんだけどね……」
彼女が今どこにいるのか……。
それが分からない事が、一番怖かった。
もう、手遅れなのではないか。そう思うと、寒気がした。
「小夜子、乙矢さん、そろそろ着地するよ」
「うん、なるべく人気のないところでな!」
乙矢が注意を促す。
エリアルは、そのくらい分かってますよと言いたいのを堪えて、大人しく「はい」と言った。



