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エリアルに抱っこされたまま空を飛ぶのはこれが初めてではなかったが、
エリアルが誰かを背負ってなお自分まで抱えて、というのは初めてだった。
というか、正直不安でしょうがなかったが、この際贅沢は言ってられなかった。
(どうか無事でいて、青子さん……!)
小夜子は、強く祈った。
青子は、クラスで一番背が高く、胸が大きな女の子だった。
そんな彼女の愛称は『セクシー』という。
……まんまじゃん。小夜子はその呼び名を聞いた時、安直さとくだらなさに笑った。
一方、豪快な青子にその自覚は無く、よく胸元の開いた服を着て来たり、
超ミニスカートに高いピンヒールで登校して来たりと、ことあるごとにクラスの女子に騒がれてきた。
「ちょっとお姉さん、下着見えてるよ!」
「あはは、平気だって!」
「いやいやいやいや」
ファッションの割に、全く色気づいていない事。
気取っていない事。
見えそうで見えないかと思いきや、やっぱり何かしら見えている事が常にクラスで話題となり、
彼女は常にクラスの人気者だった。
よってセクハラは主に、女子によるものである。



