姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③




「君、高校生かい?」

「え……」

「今、何時だと思ってるんだ」

 
――補導員だった!

「あー、あの、人違いです……!」

(敵だ敵だ!)
 
俺はダッシュした。

後ろから「コラッ!」という怒声と、慌ただしい足音が聞こえてくる。

(え、ちょっとまじで?)

「頼むから来ないで下さいー!」

「待ちなさいっ! 君、こんな時間まで遊んでいていいと思っているのか!」

「遊びじゃないです真剣です!」

「真剣に遊んでいただと? 屁理屈を言うんじゃない!」

「だーもう! 今はあなた達に付き合ってる暇は無いんですー! 見逃してよ!」

「そうはいかないぞ!」

(わーん!)
 
とんだ事になってしまった。
 
それから俺は、およそ十数分にわたり、清く正しい大人達に追いかけられる羽目になった。

うまくまいたものの……これで温存した体力がパーだ。