姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③

 


絶対良くないと思ったがそれはまた別の話なので、俺はとにかく南口をさまよった。
 
改装中……って言ったっけ? 

ていうか、南口ってだけじゃ範囲が広すぎやしないか?

(うぅ~……)
 
でも、仕方が無い。俺は歩き続けた。
 

キラキラ光るネオン、行き交う人々は、どこか楽しそうだ。

みんな、これから飲みに行くのかな。……平和な笑顔。


(うあー……もう、『アルト』ってどこだよ! 姉さん達どこ行っちゃったの!?)
 
迷子を探すのってこんな気分なのか? 

それとも、この場合は俺が迷子なのか?
 
そう思った俺の肩を、誰かがぽんと叩いた。
 
驚いて振り返ると、そこにはかっちりとスーツで武装した、数人の大人がいた。

……何やら、雰囲気がただならない。

全員、意味ありげな腕章までしている。

(まさか、テミス? それともフェニックスか……?)
 

敵か味方か判断しかねていると、俺の肩を叩いた男が、おもむろに口を開いた。