姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③




そうして、俺は育っていった。

いつからか芽生えた、復讐心と共に。

人生の転機。一度目は、両親が目の前で殺されて、俺がテミスに連れ去られた事。

そして二度目は、テミスから逃げたいと思っていた俺に、手を差し伸べてくれた人がいた事だった。


「君の力が必要なんだ。この組織は、間違っている。腐りきっている。

現に、君みたいに人間より優れた力を持つ者が、

囚人のように扱われている事自体、間違った話ではないか。

もう、遠慮する事は無い。この世は所詮、弱肉強食なんだから。

殺したいと思えば、殺したっていいんだよ。

いくら人間を喰ったって、構わない。私達は、君を歓迎するよ。


ようこそ、『フェニックス』へ……」

 


――俺は、テミスから逃亡した。そして、今に至る。



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