茫然となっていた俺はろくな抵抗も出来ず、
すぐさま自衛隊みたいな服を着た大人の男達に取り押さえられて、
変な薬を嗅がされて眠ってしまった。
気が付くと、車の中の檻に入れられていた。
受け入れがたい現実だった。悪夢のようだった。
だけどその日から俺は、両親と日常を失い、
テミスの元で『治療』と『正しい教育』を強制的に受けさせられる事になったのだった。
最初に受けたテストで、俺には一般常識が欠落している事が判明し、
再教育によっては、まだ救いがあると判断された為、殺されるような事はなかった。
俺は、テミスに従った。
何よりその時の俺は、幼かった。
単純に、死ぬ事は怖かったし、何が何でも生き延びたいと思っていた。
だからどれだけ意地悪な教官に虐げられても、
理不尽な理由でいびり抜かれても、耐えた。



