姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③




骨はすぐに来訪者達に見付かり、男女の悲鳴が自分の部屋まで聞こえてきた。

だけど、途中からそれはたっくんの骨に対するものではなく、彼等の断末魔になっていた。
 
父が奥の部屋から騒ぎを聞き付け、

逃げ惑う彼等を、喰い殺しにかかっていたのだ。

時間は、五分もしなかったと思う。

来訪者は、皆殺しにされた。食材が増えた。

けれど、ここでとうとう警察の目が、こちらに向いた。
 

――この時点で、テミスが警察と協力して動いていたのかは分からない。

けれど、結果からいうと、父も母も逮捕される事無く、死んでしまった。

銃で撃たれたのだ。

「車に轢かれても死なない」と豪語していた父だった。

この時、俺は生まれて初めて狼人間の弱点を知った。

銀だ。銀の弾丸が、父の額を撃ち抜いたのを、覚えている。

半狂乱になって飛び出した母が、同じように胸を撃たれて倒れた事も。