とても、懐かしい顔だった。 ここ何年もずっと会えなくて、 それが寂しいと思った事さえあった。 姉さんが、堪らずといった感じに、大声で言った。 「お兄ちゃん!」 「おっちゃん……」 そう呼ばれた彼は、嬉しそうに顔をくしゃっとさせた。 「……久し振りだな、孝に小夜っち」 来訪者は、何年も前に一緒に暮らしていた親戚の男・乙矢だった。