「ああ、ああああっ……!」
姉さんが、がっくりと膝をつき、叫んだ。
エリアルが、姉さんの名前を呼びながら肩を揺すったが、姉さんは反応をしない。
パニック状態だった。
俺も、どうしたらいいのか分からなくて、ただおろおろしていた。
もどかし過ぎて、苦しいほどだった。
そんな中、おっちゃんは冷静だった。
「――小夜っち! 先回りすれば間に合う、場所は!?」
明確な質問によって、姉さんは正気を取り戻した。
「『アルト』……南口にある、バーだって……」
「よし、それさえ分かれば大丈夫だ!」
ぽつり、ぽつりと。でも、しっかりと。姉さんは、計算した。
しかし、その顔は絶望に歪む。
「でも、今からじゃ難しいかもしれないわ……
だって、ここから学校まで、最低でも一時間はかかる……!」



