姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③




「もしもし、青子さん!?」

『もしもし……小夜ちゃん? どうしたの』

「青子さん、先輩の話、今からでもいいから断って! お願い!」

『え~何それ。

っていうか、相談したかったのに小夜ちゃんから返事来ないから、もう出ちゃったよ。

学校の方のさ、南口にある『アルト』ってバーだって。

で、小夜ちゃんこの話聞いてなかったの?』

「うん、そうなんだけどね、……っていうか、そうじゃなくて! 

行っちゃ駄目なの! 引き返して!」

『……何で?』
 
姉さんは、一瞬詰まった。

これは、言っても良い事なのだろうか。

だけど、本当の事を言ったところで、信じて貰える訳が無い。

「これは狼男が、あなたを食べようとして吐いている嘘だから、

行ったら死んでしまう」なんて。


「……どうしても」