乙矢が、数日前に起こった殺人事件の事を話していたのを思い出した。 その被害者というのが近くの大学の学生で、 被疑者として浮上したのが、月代だったのだ。 そして、その「尻尾を掴むように」と、 小夜子は乙矢に仰せつかったのだった。 「それ、俺が持とうか?」 カゴを指差して、訊かれた。 「いいですよ。このくらい持てますから」