乙矢は、セットした髪をぐしゃりと手で撫で崩した。 慣れていないせいで、うっかりやってしまったという印象だった。 慌てて、手櫛で髪の流れを戻している。 「じゃあ、お兄ちゃんがうちに来たのは……」 「そう。こっちに『登録』の無い、 吸血鬼がいるって情報が入ったから。 まだ、この地域のどっかにいるって段階だったんだけど、 荷物置かせて貰うついでに里帰りと思ったら、 いてびっくりした」 それまで大人しく話を聞いていたエリアルが、 急にそっぽを向いた。