ドアをノックせずに開けたのは、 それが意味の無い事だと分かっていたからだった。 『これくらい』、分かって貰わなければ困る。 思った通り、エリアルは起きていた。 じっと警戒するように、こちらを凝視している。 しかし正直、目が合った瞬間に首を掴まれるとは思わなかった。 苦しさのあまり、乙矢はケースを取り落とし、 首を圧迫しているエリアルの手に爪を立てていた。