凛兎は相当なショックを受けて歩道橋を駆け下りると、泣きながら道路に飛び出した。
俺は反射的に凛兎を追いかけて車から凛兎を守った。
凛兎は擦り傷だけで済んだけど、俺は思い切り地面に身体を打ちつけて入院することに。
それが子供の頃、凛兎に会った最後だ。
入院中に凛兎がショックにより父親と、父親が亡くなるまでの記憶をなくしたこと、
それからそれを機に奏美さんが凛兎を連れて引っ越したことを父さんから聞いた。
『なんでだよ…凛兎にはもう会えないのかよ⁈
あいつは俺がいないとダメなんだ‼︎ダメなんだよ…‼︎』
『凛音、大人になるんだ。…凛兎ちゃんの幸せのためだろ?』
それから俺は荒れに荒れて、高校時代は喧嘩ばかりしていた。
いつも凛兎のことを考えていた。
俺がいないと生きていけないと思っていたのに。
俺にしか守れないと思っていたのに。
人生って、何でこんなにうまくいかないんだろうといつも嘆いていた。
翔太や愛姫と出会って、少し落ち着いてきた高校二年の冬。
父さんが奏美さんとの婚約を知らせてきた。
