「あぢいぃ…」
「もうすぐエアコン届くから、それまでの辛抱だな。」
「もうすぐっていつだよ…」
「おいパンツ見えてるぞ。」
「…そんなのどうでもいいくらい暑い。」
「夏って女子力も奪うんだな。」


手で額の汗を拭う。
扇風機ってこんなに微力だったかな…


「…どっか行く?」
「どっかって?」


お兄ちゃんがスマホをいじりながらわたしの横に座った。
わたしはアイスの棒を咥えて起き上がる。


「花火大会…とか?」
「へえ、いつ?」
「明日の夜。」


スマホをわたしに向けるお兄ちゃん。
毎年やっている町内の花火大会の予定が載っている。
花火大会…夏の大イベント。
最後に参加したのはいつだっただろう。