君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



「…あとで俺から翔太に連絡してみるよ。芽依ちゃんに説明するのが少し厄介だけど。」
「大丈夫。芽依ならわかってくれるから。わたしから伝えておく。」


何故かわからないけど、翔太くんにはわたしたちが必要だと思うんだ。
わたしたちにも翔太くんが必要だから。
こんなことで、簡単に関係を切ってしまえるくらいの仲では無いはず。
だっていつも一緒に居てくれたから。
きっとお兄ちゃんも芽依も、同じことを思うだろう。

ぼーっと翔太くんのことを考えていたら、
不意にお兄ちゃんの指が頬に触れた。



「…今、何考えてる?」
「ん?」
「翔太のこと?」
「…ん?」


突然変なことを聞かれて意味を考えていたら、ベッドに押し倒された。
視界が一転する。
部屋の暗さにようやく目が慣れてきた。


「…俺、気にしてないように見えるかもしれないけど、」
「なに…?」
「翔太にキスされたんだろ。結構根に持ってるからな。」


少し拗ねたような顔をするお兄ちゃん。
…わあ、嫉妬してくれてるんだ。