君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



***




お兄ちゃんの部屋をノックする。
ドアが開いて、お兄ちゃんが中に招き入れてくれる。


「ったく、放蕩娘が。」
「…ごめんってば。」


まだぶつぶつ文句を言っているお兄ちゃん。
わたしが悪いのは確かなので、気にしないでおこう。
…多分、相当心配してたと思うし。
広いベッドに腰掛けると、お兄ちゃんが部屋の電気を消した。


「…何で消すの?」
「…ムード?」
「綺麗な夜景が見える訳でもないのに。」


緊張を消すためにそんな冗談を言ってみると、お兄ちゃんが笑った。
同じベッドで寝たことはあるけど、
こんな豪華な部屋に二人きりは、少し緊張する。


「…芽依ちゃんは?」
「多分もう寝たと思う。」
「今日は長期戦だったからなあ…」


で?、とわたしの肩に腕を回すお兄ちゃん。


「翔太と何があった?」