「はー?何でお前もいるんだよー!」


定期テストも終わり(いろんな意味で終わった)、夏休み初日。
集合場所の駅で車から降りると、翔太くんの不服な声が飛んでくる。
相変わらず太陽が照りつけていて、日焼け止めがないと真っ黒になりそう。


「誰がお前なんかと凛兎を二人きりで行かせるかよ。」
「凛兎ちゃーん…」
「一応これでも保護者だからな。」


お兄ちゃんが翔太くんの肩を叩く。


「翔太さん!」
「…あれっ、芽依ちゃんもいるんだ!」
「名前覚えててくれて嬉しいです!」
「こんな可愛い子を俺が忘れるわけねえじゃん。」


芽依の私服は本当に可愛い。
普段から可愛いのに私服で更に可愛くなっている。
翔太くんの言う通り、芽依と一度話したら忘れることできないかも。