凛音ー、とお兄ちゃんに抱きついて拒絶される翔太くん。
裏…、か。
すごく気になる。


「翔太くん夏休み暇?」
「なになに、デート?バイトが結構入ってるけど…凛兎ちゃんのためなら調整するよ。」
「一泊二日で旅行行かない?」
「まじで?まじで言ってる?行くに決まってんじゃーん!」


いえーい、と翔太くんとハイタッチする。


「日程決まったら教えろよ!んじゃ、俺バイトなんでまたなー!」


どうやら学校帰りに何となく寄っただけらしく、
翔太くんは手を振って帰って行った。
…ちょろいな。


「…凛兎、翔太と旅行行くの?」
「うん。みんなでね。」
「は?みんな?」

「…わたし二人で行くなんて言ってないよ?」


とぼけたような表情でお兄ちゃんを見上げると
お前ってやつは…と、お兄ちゃんも笑った。