君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



「翔太は…やめといたほうがいいんじゃない?」


お兄ちゃんの声が後ろから聞こえる。


「…なんで?」
「……あいつは、付き合うにはちょっと闇が深すぎるかも。」
「裏表ない人だと思ってたんだけどな…」
「あのな凛兎、人は見かけによらないんだよ。気をつけないと。」


ごもっともなことを言われ何も言えなくなる。
親友のお兄ちゃんがそこまで言うって…どんな闇だろう。
あんなにいつもニコニコしていて元気で、明るいのに。


「よっ!二人して玄関で何話してんの?」
「噂をすれば…」


目の前に翔太くんが立っていて、びっくりする。


「なになに、俺の噂してたの?二人とも俺のこと大好きじゃーん!」
「…そんなこともないけど。」
「今、凛兎ちゃんの言葉が胸に突き刺さったんだけど。」