君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



「……ん、」


凛兎の指が、俺の手に触れる。
その手を取って指を絡めた。
ぎゅ、と握ってくる凛兎がどうしようもなく愛おしい。


「、…きもちい、」
「…え、」
「もう一回、…して?」


…確信犯なのか、もう既に寝惚けているのかわからない。
そんなこと言われて止められるわけもなく。
なんか、結局凛兎のペースに振り回されると言うか。

…少し悔しいけど。

凛兎をそのまま押し倒して、
もう一度唇を重ねた。