君を知らないわたしと、わたしを知っている君。




「…なあ、もし俺が凛兎のこと好きだって言ったら…どうする?」

「……っ」



昔のことを考えていたら、とんでもないことを言っていた。
凛兎の息を飲むような音が聞こえて慌ててそれを打ち消す。


「…いや、ごめん。今のは忘れて。」


…かっこ悪いな、俺。
気まずい空気がつらい。
さっさと寝てしまおうと向きを変える。


「……忘れない、」
「…え?」


ずっと黙ってた凛兎が小さく呟く。


「……好き、…だから。」



そんなことを言い出す凛兎。
…なんだ、この可愛い動物。
思わず凛兎を後ろから抱き締める。