夕方から降り出した土砂降りの雨。
こんな悪天候、久し振りだ。
まだ七月だと言うのに…少し早い台風だろうか。


「明日、晴れるかな。お母さん帰り大丈夫かな…」


ご飯を食べながら凛兎が奏美さんを心配する。
そう言う凛兎は、夕方まで外にいたようで
全身ずぶ濡れで帰ってきて、笑ってしまった。


「…さっきまでずぶ濡れだった人が。」
「おい、人の不幸を笑うんじゃない。」
「…ふ、」


思い出してもう一度笑うと、凛兎がもう一度おい、と言う。
残念ながら怒っても可愛い。…もちろん本人には言わないが。

夕食後も豪雨は止まる気配がない。
食器を片付けている間、凛兎はリビングでニュースを見ているようで一人で何か話している。


「独り言気持ち悪いぞー。」
「だって明日も豪雨かもしれないんだよ。」
「学校休みになるかもな。」
「それは嬉しいけど、お母さん帰ってこれないかも…」
「まあ、何とかなるだろ。」