学祭が終わりお兄ちゃんと二人で家に帰ると、家の前で知らない女の人が立っていた。
綺麗に巻いたロングヘアが大人っぽい。
すごく、美人。
彼女はお兄ちゃんに気づくと、笑顔を見せる。


「凛音ー!」


お兄ちゃんは少し驚いた顔をしてから、溜息をつく。


「…なんでいるんだよ。」
「近くに来たから、遊びに来ちゃった。」


そして、彼女はお兄ちゃんの腕にぴったりとくっついた。


「あ、こちらが妹さん?」
「あっ、はい、凛兎と言います。」


小さく頭を下げると、女の人は綺麗に笑った。


「凛兎ちゃん、よろしくね?凛音の彼女の愛姫(あき)です。」
「彼女じゃなくて、元彼女だろ。」
「えー?あたし終わったつもりないんだけど…」


お兄ちゃんと親しそうに話す愛姫さん。
家の中に入ると、嬉しそうにお兄ちゃんについていく。
わたしは気にせず自分の部屋に戻ることにする。