君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



やっと店番が終わり、制服に着替える。
さすがにこの格好で回れない。
公開処刑極まりない。
翔太くんに今から行くとメッセージを送る。


「一階の入口…」


今日は一般公開日だから、学校は外部の人で溢れていて何度も人混みに飲まれそうになる。
階段を降りた所で、わたしは顔色を変えた。



「大智…!」

「…凛兎?」



何でよりによってこんな所で…!
逆方向に進もうと向きを変えるも、人混みで進めない。


「待って。」


また腕を掴まれて、人が少ないところへと無理矢理引っ張られる。


「何でここにいるの…?」
「友達がこの高校なんだよ。」
「じゃあ早く友達のところに行って!わたしにもう構わないでよ…」


抵抗しようと腕に力を入れるけど、男の人だから敵わない。
急に大智が足を止める。


「俺はずっと、謝りたいと思ってた。」
「…は?」


大智の言葉が理解できない。


「…本当はあんなことするつもり…俺は本当は…」
「あれ?あれ、黒瀬と安達じゃね?」


男子の声に振り向くと、見覚えのある数人が立っていた。
わたしのことを前の名字で呼ぶのは、中学のクラスメイトしかいない。
…最悪だ。最悪すぎる。