今日は夕日が綺麗だ。
帰り道に通る歩道橋の上で、夕日を眺める。
スマホを取り出して、写真を一枚撮ってみた。
…お父さんが亡くなった日も、こんな綺麗な夕日だったっけ。
なぜか断片的な記憶しかないけど、そんな気がする。
人ってあんなに簡単に亡くなってしまうんだ、って驚いた。
でもきっと今もこの瞬間に、どこかで誰かが亡くなっていて、
どこかで新しい生命が生まれているんだろうな。
一人の人生なんてお構い無しに、地球は廻り続けているんだ。


——世界って、何だか残酷だ。


去年お母さんが再婚した時は、そんなにすぐお父さんのこと忘れられるのかって
喧嘩してしまったけど、お母さんは前に進みたかっただけなんだよね。
立ち止まっていたのは、わたしの方だった。
結局、新しいお父さんの賢吾さんはすごくいい人で安心した。
賢吾さん、単身赴任で滅多に帰ってこないけど。

まだ新しい名字に少し違和感を感じている。