「学祭?絶対行く。」

「え、来なくていいよ。わたし参加する気ないし。」
「そのわりには張り切って絵描いてるじゃん。」
「ほええ、凛兎ちゃんって絵、ちょーうまいね!」
「これは頼まれたからやってるだけ。
てかなんでわたしの部屋にいるの?…てか、そのひと誰。」



帰宅後、自分の部屋にて。
早速作業を開始してから数分後、お兄ちゃんと知らない男の人が
わたしの部屋に入ってきて居座り始めた。
見たことない男の人。お兄ちゃんとは正反対の見た目をしている。
なんて言うか…チャラい。


「あ、ごめんね?こいつがどーしても凛兎に会いたいって聞かなくて。」

「ども、凛音の高校からの友達の橘翔太(たちばな しょうた)です!よろしくね!」



派手な茶髪に派手な服。少し低めの声。
少しきつめの猫みたいな目をしているけど、
無邪気にニコニコしてるあたり、悪い人では無さそう。


「…どーも兄がお世話になっております。」
「めっちゃ棒読みじゃん。凛兎ちゃんって感情あるの?」


溜息をついて彼を見上げると、やっぱりニコニコしている。
…今の発言に悪気は無いらしい。