「…中学の時の、元彼。」
「…そっか。…嫌そうにしてたけど、なんかあったの?」
冷蔵庫から水を出しながら、続けて聞いてくるお兄ちゃん。
「……あの人せいで、中学の時、ずっといじめられてた。」
水を飲むお兄ちゃんの手が止まる。
「…中一の終わりくらいに告白されて、付き合い始めて。
わたしそう言うの初めてだったから、嬉しかったんだ。
…けど、突然あの人の部屋で、キスされて、…その先まで進みそうになって。
…わたし、怖くて、拒否して、逃げたの。
…そしたら、次の日学校で、わたしの変な噂とか、写真とかばら撒かれて。
…みんな離れて行った。…だからあの人には、もう会いたくない。」
話しながら下を向く。
どう思うだろうか。
やっぱり嫌われるだろうか。
…お兄ちゃんの顔、怖くて見れない。
