君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



「そう言う芽依は恋してるの?」
「それがさあー…イケメンってなかなかいないもんだよね。」
「面食いだったか…」


なるほど、モテるのに彼氏がいないわけだ。
芽依は、はあーと窓枠に肘をついて溜息をつく。


「居ないかなあ、イケメン…そう簡単に見つかるわけ…っていた!」
「は⁈」
「あっ、こっち向いたー!手、振っておこ!」



芽依が反応するイケメンってどんな人だろう。
そう思って窓から外を見る。


「え。」
「あれ?知り合い?」


…いいえ知り合いどころじゃありません。
…とゆうか、なんで学校に!
廊下と階段をダッシュして玄関を出ると
お兄ちゃんがわたしに気づいてこちらにやって来た。


「へっ⁈こっちくるよ!凛兎、やったね!」


わたしを追いかけてきた芽依は
お兄ちゃんを見てとってもご機嫌になったようだ。