月曜日ほど憂鬱な日はない。
休み明けで、眠くて、授業の内容も頭に入らない。
大嫌いな数学のクラスで、教壇の上の時計とにらめっこをする。
そしてチャイムが鳴ったと同時に大きな溜息をついた。



「はあー…」
「随分大きな溜息。恋でもした?」


後ろの席の芽依がそんな事を言う。
荷物を片付けて廊下の窓際に芽依と肩を並べると
彼女は早速お気に入りのいちごミルクを飲み始めた。


「誰が恋するって…」
「恋って素敵だよ!凛兎にはわからないかなあ、この素晴らしさ…」
「ごめん、まったくわからない。」


なんて言いつつ、頭の中にお兄ちゃんの顔が出てきて慌てて振り払う。