君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



***




「凛兎ー、凛兎ー、おーきーろー!」
「んんん…」



開け放たれたカーテンから注ぐ、陽の光が眩しい。
朝から何なんだ…
ゆっくり目を開けると、目の前にドアップのイケメンが。

…夢、?



「早く起きないとキスするけど。」
「わっ、!」


近づいてくる顔をよけて、布団から飛び起きる。
そうだ、昨日からお兄ちゃんが家にいるんだった。

…これは夢じゃない!

慌てて入り口に非難する。



「なっ、ななななななな…っ」
「そんな全力で逃げなくてもいいだろ…」
「すっ、睡眠妨害…!」
「…もう昼の十一時だけど。」


…しまった!
昨日疲れすぎて爆睡してしまったらしい。
洗面所に駆け込み、顔を洗う。


「なあ凛兎、荷物届いたから俺の部屋の整理手伝ってくんない?」


だから起こしたんだよね、と
わたしについてきたお兄ちゃんの声が後ろから聞こえる。
来て早々、妹を使う気なの?
…まあ、学校休みだし。することないし。


「…いいけど、」


手伝うことを了承する。偉いぞ、妹。
…それにしてもさっきの起こし方はなんだったんだ…!
まだ少し早い心拍数を抑えながら部屋に戻り、着替える。
…昨日からお兄ちゃんはわたしを驚かせてばかりだ。
何なの、少女漫画か何かなの…!
少女漫画だとしても、私なんかがヒロインになれる訳がないけど。