頭の上で、凛音くんが笑う声が聞こえる。
この笑顔を、この幸せを、今度はわたしが守る番だ。
守られてばっかりじゃ、だめだ。
「…凛音くん、」
「…ん?」
「凛音くんのお母さんに、会いに行こう。」
彼は黙り込む。
「…わたしも、一緒に行くから。」
「…え、」
「わたしがつらいとき、凛音くんはいつもそばに居てくれた。
だからわたしも、凛音くんがつらいときに一緒に乗り越えたい。」
顔を上げると、凛音くんと視線がぶつかる。
きっと彼は迷っているんだと思う。
少し視線をそらして、凛音くんが溜息をつく。
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